ハチミツは、世界でもっとも古い天然の甘味料です。人類は何千年ものあいだ、食べものとして、また伝統的な薬として使ってきました。
ただ、すべてのハチミツが同じ蜂から採れるわけではありません。私たちが目にするのは主に二つのグループ、セイヨウミツバチとハリナシバチ(スティングレスビー)で、この二つがつくるハチミツは本質的に違うものです。

セイヨウミツバチ
セイヨウミツバチ(Apis mellifera)は、ヨーロッパ、中東、アフリカの一部に自然に分布し、約20の亜種に分かれています。マヌカハニーはこのセイヨウミツバチから採れるハチミツで、その名前は蜂ではなく、蜂が好んで訪れる植物に由来しています。
セイヨウミツバチのほとんどは刺します。体は比較的大きく、分蜂しやすく、巣全体を失うような病気にかかることも知られています。
ハリナシバチ(トリゴナとメリポナ)
ハリナシバチは、トリゴナ(Tetragonula)またはメリポナに分類され、オーストラリア、アフリカ、東南アジア、メキシコやブラジルの一部といった熱帯・亜熱帯地域に生息しています。セイヨウミツバチと同じように亜種が多く、それぞれ異なるハチミツをつくります。マレーシアのハリナシバチのハチミツは現地でクルット(Kelulut)、フィリピンではキヨット(Kiyot)と呼ばれています。
マヌカとは違い、トリゴナという言葉は植物ではなく蜂の種類を指します。
名前について。 トリゴナ属は2013年に大きく再分類され、2007年に発表されたDNA研究によって、それまで同じ分類にまとめられていた種のあいだに大きな違いが見つかったことから、多くの種が Tetragonula へ移されました。Anayaの蜂は正確には Tetragonula biroi です。それでもトリゴナという呼び方を残しているのは、2013年に始めた当時への敬意であり、またこの言葉がブランドと分かちがたくなっているからです。
トリゴナの蜂はセイヨウミツバチより小さく、黄色と黒ではなく黒い体をしています。脅かされれば防衛的になることもありますが、全体としては穏やかで、巣に含まれるプロポリスの量が多いことも一因となり、病気に強い傾向があります。

マヌカと同じように、トリゴナハニーの味は地域によって変わります。蜂がどの植物を訪れたかによって、数キロしか離れていない巣のあいだでも違いが出ることがあります。
ハチミツに共通して含まれるもの
生ハチミツは、加工されたハチミツよりも有用な成分を多く保っています。どちらにも含まれるのは次のようなものです。
- アミノ酸、ビタミン、ミネラル
- 抗酸化成分。活性酸素を打ち消し、細胞を酸化によるダメージから守る働きがあります
- 抗菌・抗真菌作用。ハチミツが古くから傷の手当てに使われてきた理由です
- のどの痛みをやわらげる成分。ハチミツの用途のなかでは比較的根拠がそろっている領域です
ハチミツは薬ではなく食品であり、これらの根拠の強さにはかなりの差があります。のどの痛みについてはしっかりした裏づけがありますが、それを超えた治療的な効果については、まだはっきりしていません。

Anayaのトリゴナハニーが違う理由
ハリナシバチは、蜜蝋とプロポリスを混ぜた「セルメン」で貯蜜用の壺をつくります。そのため、熟成する過程でハチミツにプロポリスの成分が自然に移っていきます。純粋な蜜蝋の巣房に貯められる Apis mellifera のハチミツとは、構造そのものが違います。
当社のトリゴナハニーは第三者機関による分析を受けています。分析結果と関連する研究は公開しており、ハリナシバチのハチミツの抗菌活性に関する2007年の金沢大学の研究も併せて掲載しています。
蜂蜜を採るために飼っているわけではありません
Apis mellifera の巣は、年間およそ30キログラムのハチミツを生産します。ハリナシバチの巣から採れるのは、およそ500グラム。それが一つのコロニーの年間の全生産量です。
だからこそ私たちにとって、この蜂たちはハチミツの生産者ではなく花粉媒介者です。ハリナシバチは、とくにオーストラリアではネイティブビーとも呼ばれますが、その名の通り在来の植物の受粉に非常に長けています。フィリピンでは、ココナッツ、マンゴー、タマリンド、カラマンシー、パイナップルがその対象です。
ハチミツは、その受粉という仕事の副産物に近いものです。

なぜ酸味があるのか
酸味はこのハチミツを特徴づける性質のひとつで、蜂の種類と、近くで何が咲いているかによって変わります。酸味の理由については別の記事で詳しく書いています。
マレーシアの一部では Heterotrigona itama という種がより甘いハチミツをつくりますが、これはその蜂がナス科の花を多く訪れるためです。Anayaの Tetragonula biroi が好むのはココナッツ、マンゴー、タマリンドの花蜜で、そこから生まれるものはかなり異なります。
当社のハチミツも、収穫のたびに味が変わります。養蜂家が複数の農園と仕事をしているためです。その時期に咲いているものによって、マンゴー、パイナップル、タマリンド、カラマンシー、ココナッツ、バナナ、ときにライチを感じることがあります。共通しているのは、柑橘を思わせる甘酸っぱさ。すぐに好きになる方と、少し慣れる時間が必要な方に分かれます。
なぜこれが大切なのか
作物には花粉媒介者が必要ですが、その個体数は世界的に減少しています。ハリナシバチは、化学的な資材を使わずに受粉を行う道を農家に提供します。巣が二つあれば広い農園をまかなえますが、トリゴナの蜂は巣から数キロ以上離れて飛ぶことはほとんどありません。
つまり当社のハチミツを試していただくことは、めずらしい味に出会うことであり、同時に地域の生態系と対立せずに成り立つ農業のかたちを支えることでもあります。
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1才未満の乳児には、いかなるハチミツも与えないでください。乳児ボツリヌス症のリスクがあります。生ハチミツには花粉が自然に含まれています。蜂由来の製品や花粉にアレルギーのある方はご注意ください。
